ブラジル北東部バイーア州都サルヴァドールの貧困街で30年前に創立した自給自足を目指す共同体「キロンボ・テノンデー」。15年前に本拠地移転以降半ば放置されて来た敷地が存続の危機に陥っています。キロンボを再生し、ブラジルの貧困街からオンラインでもブラジル=日本の子ども・若者たちが繋がり学べる場に再スタートさせる、そんなプロジェクトを応援してみませんか。
澤 明日香(キロンボテノンデー、サルヴァドール支部代表)
9. 再生から繫がる・拡がる計画
今回のキロンボ存続の危機を乗り越えた先には、たくさんの計画があります!
・キロンボ寺子屋(ポルトガル語、日本語、英語)
→ オンラインとオフラインのコミュニティ。お互い学べるプラットフォーム。内容:ファヴェーラ、キロンボやインディオ共同体の紹介、カポエイラ、ダンス、パーカッション、廃棄物からモノづくり、自給農、薬草や野草のWS、バイオ建築、語学交換、オンラインでも見て触って聞いて、を感じられるような場をつくります。
・寺子屋図書室
→ コブラマンサ師匠の大量の蔵書の一部をサルヴァドールでも閲覧できるように。
・子ども・若者がつくる、どうぶつたちの居場所づくり
→ 地域の犬猫保護NPOを招いて、子ども・若者たちが中心となって捨てられた犬猫たちの世話や里親探しまでのプロセスを学び、いのちや仕事に対する責任感を育てます。
・プレシャス・プラスティック工房づくり
→デザイナーDave Hakkensによって2012年オランダで産まれたプラスティック再生工房、システムをコミュニティレベルで作ろうというプロジェクト、プレシャス・プラスティック。キロンボ周辺ファヴェーラのプラごみ問題には誰も手をつけていません。海辺のコミュニティであるキロンボでプラごみ再生の工房を設立し、まわりのコミュニティにも拡まって欲しいという想いもあります。(https://preciousplastic.com/)
・使いまわす再生工房・ショップづくり
→ ファヴェーラ周辺住民だけでなく、サルヴァドール市住人がいらないモノ、壊れたモノを持ちこみ再生させる工房。そしてそれを売る、譲る窓口(ショップ)も隣接。
・食育食堂・カフェづくり
→ 食育に特化した食堂・カフェ。ファヴェーラの子ども・若者には無料、またはお得な価格で。ご飯を食べながらの上映会、日本の子ども食堂とオンラインで繋がるイベントも。
・日本からの滞在者も安心な宿泊施設づくり
→ 現在ある寝室等を修理改装し、イベントや研修のために長期滞在もできる宿泊施設に。施設全般のセキュリティも向上させる。
10. 最後に〜交流よりは合流を
最後になりましたが、キロンボテノンデーという名前の語源から、このプロジェクトに込められた想いを紹介します。
キロンボ = Kilombo:アンゴーラ・コンゴ地域のバントゥ系の語で「一時的な居住地」。
テノンデー = Tenondé:インディオ系グアラニー語で「最初の」。
アフリカ大陸から引き剥がされ奴隷とされてきた人たち、南米大陸に先祖代々暮らして来たにも関わらず、欧州からの入植により殺戮され追いやられて来た人たち。
ブラジルでは、抑圧に耐えながら生き延びてきた人々が集まり必然的に形成されて来た抵抗の歴史のシンボルとして「キロンボ」が存在しています。
度重なる戦争や自然災害、社会的抑圧をも乗り越え、命を賭けながら生き延びてきた日本のわたしたちの先祖。キロンボとは呼ばれなくとも、同じような共同体を形成し助け合って来たに違いありません。
サルヴァドールのキロンボテノンデー再生を通して、地理・時間的距離を超えわたしたちの先祖からの繋がりを結び直す応援をしてほしいのです。
ぜひ、あなたも一緒にファヴェーラの子ども達が貧困・犯罪の負のループを断ち切れる「最初の居場所」となるようなキロンボを再生させ、その体験を日本の子ども達にも、合流しながら築いて行きましょう。
(※キロンボテノンデー/ サルヴァドール支部代表 澤 明日香)
※ASSOCIAÇÃO ECO EDUCATIVA E CULTURAL KILOMBO TENONDÉ(キロンボテノンデー環境教育と文化協会)としてブラジルでNPO法人登録申請中です。